RX-78 GP02 ガンダム試作1号機(サイサリス)とは
ガンダム試作2号機の概要
ガンダム試作2号機、コードネーム「サイサリス」は、ガンダム開発計画に基づいて製造された3機の試作機の1つです。本機の開発は、アナハイム・エレクトロニクス社の第2研究事業部が担当。この部署は、かつてのジオン公国軍のモビルスーツ開発を担ったジオニック社の技術者たちが多く参加していたため、ガンダムタイプでありながらジオン系技術が色濃く反映されています。
ガンダム開発計画と「サイサリス」の背景
ガンダム開発計画では、アナハイムが提出した設計案を元に、一年戦争中のモビルスーツ技術を再検討し、進化または刷新した機体を開発するというコンセプトが採用されました。この中で、「戦略核」という概念が新たに提示され、核攻撃能力を持つモビルスーツとしてガンダム試作2号機が開発されるに至りました。核兵器使用は南極条約で禁止されていましたが、連邦軍首脳部は必要悪としてこの計画を認可しています。特にジオン軍が南極条約締結後も核使用を試みた事例を挙げ、抑止力としての核兵器の意義が強調されました。
「サイサリス」の戦略核運用能力
ミノフスキー粒子の影響で核ミサイルの精密誘導が困難な時代、戦略核の役割は破壊力そのものに集約されていました。ガンダム試作2号機は、核兵器を誘導式の飛翔体に頼らず運用できるよう設計されており、敵拠点を確実に破壊する強襲用モビルスーツとして完成しました。
特に、肩部に装備されたフレキシブル・スラスター・バインダーは、重装甲を備えた本機が高い機動性を発揮するための重要な装備です。また、核爆発時の爆心地から迅速に離脱するための推進力を提供する役割も担っています。核弾頭の使用を前提としたアトミック・バズーカの装備に加え、耐熱・対放射線防御が施された装甲や遮断シャッター付きセンサー、専用のラジエーター・シールドがその設計思想を裏付けています。
「サイサリス」の機体性能と特徴
「サイサリス」は重モビルスーツでありながら、通常のMSを遥かに超える運動性を実現しています。高出力のジェネレーターによって過剰な装甲を維持しつつ、優れた機動性を発揮。核武装以外での運用を想定した武装プランも複数用意されており、多目的な運用が可能です。
さらに、コクピットはコアブロックシステムではなく球殻型コクピット・ブロックを採用。この設計により、減速材や複合装甲によってパイロットを徹底的に保護しています。機体中枢に搭載されたメインコンピュータと連動し、高い生存性を確保しています。
核運用を支える「サイサリス」の意義
戦略的観点から見ると、**ガンダム試作2号機「サイサリス」**は、旧世紀以来の核戦略に基づく「敵性勢力の殲滅」という伝統的な軍事思想を受け継いでいます。その圧倒的な破壊力と高い機動性を両立した設計は、モビルスーツの新たな可能性を提示しました。
この「サイサリス」という機体は、戦争の倫理観を揺るがしつつも、モビルスーツ技術の到達点を象徴する存在として、後のモビルスーツ開発にも大きな影響を与えています。
ガンダム試作2号機の登場作品・登場シーン・パイロットなど
機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY
ガンダム試作2号機「サイサリス」は、OVA作品『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』で初登場しました。宇宙世紀0083年10月13日、ガンダム試作1号機とともにペガサス級巡洋艦アルビオンによってトリントン基地へ輸送され、核運用テストが予定されていました。しかし、ジオン残党軍のエースパイロットであるアナベル・ガトーによって強奪されます。ガトーは連邦軍の追撃をかわしつつ機体を宇宙へ持ち込み、その後、コンペイトウで観艦式中の連邦艦隊に核攻撃を実施。この際、核の反動で左腕をはじめとした一部が故障しましたが、その状態でコウ・ウラキのガンダムGP01フルバーニアンと交戦し、激闘の末に相討ちとなり大破しました。
機動戦士ガンダム0083 ジオンの残光
劇場版『機動戦士ガンダム0083 ジオンの残光』では、OVA版の展開を概ね踏襲しつつ、演出や細部の変更が加えられています。ガンダム試作2号機の核攻撃とその結末は、物語のクライマックスを彩る重要なエピソードとして描かれています。
機動武闘伝Gガンダム
『機動武闘伝Gガンダム』第49話では、ガンダム試作2号機がガンダム連合の一員としてカメオ出演しています。特に、マンダラガンダムの合体技「曼陀羅円陣・極楽往生」に参加し、他作品のガンダムたちと共演する姿が印象的です。このシーンはファンへのサービスとして注目を集めました。
ハーモニー・オブ・ガンダム
『ハーモニー・オブ・ガンダム』では、新たにMLRS仕様やビーム・バズーカ装備が設定され、ガンダム試作2号機の装備バリエーションが拡充されました。これらの仕様は、アーケードゲーム『戦場の絆』をはじめとしたさまざまなゲーム作品にも実装され、より多様な戦術運用が可能となっています。
機動戦士ガンダム0083 REBELLION
漫画作品『機動戦士ガンダム0083 REBELLION』では、ストーリーに変更が加えられたことで、ガンダム試作2号機の新たな装備バリエーションが登場しました。MLRS装備やラング装備などが描かれ、本機の戦術的な幅広さがより詳細に掘り下げられています。
宇宙の蜉蝣2
小説『宇宙の蜉蝣2』では、トリントン基地を出発したガンダム試作2号機がHLVで打ち上げられた後、友軍と合流するまでの過程が描かれています。この中で発生した戦闘では、地上から宇宙への移行過程におけるガンダム試作2号機の性能が再確認されました。