MS-09R リック・ドムとは
リック・ドムの概要
リック・ドムは、ツィマッド社によって開発されたジオン公国軍の量産型モビルスーツ「ドム」を基に、宇宙戦に特化した改修を施した機体です。ジオン軍が次世代の主力空間戦闘用モビルスーツとして計画していた2つのプランの中で、ザクの最新型と新設計のMS-11が候補に挙がっていました。しかし、連邦軍のガンダムの出現により、ビーム兵器を運用可能なMSへの要求が高まり、MS-11計画はMS-14計画へと移行しました。ビーム兵器の開発が遅れたため、次期主力MSの開発が遅れ、その隙を埋めるためにリック・ドムの量産が決定されました。リック・ドムは一年戦争末期には宇宙での主戦力として多数が生産され、活躍しました。
リック・ドムの設計は、地上での運用に必要な装備を宇宙戦用に換装し、基本フレームには大きな変更が加えられていません。ドムとリック・ドムの最大の違いは脚部構造にあり、ドムのホバーユニットがリック・ドムでは大口径の熱核ロケットエンジンに換装されています。また、宇宙用に不要なインテークや防塵装備が取り除かれ、代わりに大容量のプロペラントタンクが装備されました。リック・ドムの量産により、スカートアーマーが大型化され、下半身ユニットが集約型バーニアとして機能し、機体に圧倒的な機動性を与えています。
リック・ドムは、その生産性の高さと宇宙戦における優れた性能により、ジオン軍の宇宙戦力として重要な役割を果たしました。その存在は、ジオン軍の戦術や戦略に大きな影響を与え、モビルスーツの歴史においても重要な位置を占めています。
リック・ドムの登場作品・登場シーン・パイロットなど
機動戦士ガンダム
初出作品。第31話から登場する。黒い三連星のドムから打って変わって、ザク同様、数が出ては墜とされるやられ役となっている。特に第33話ではホワイトベースと対峙したコンスコン隊が12機を投入しているが、アムロの駆るガンダムによって数分もしないうちに壊滅の憂き目に遭っている。その後はソロモンやア・バオア・クーにおいてもジオン側の主戦力として奮戦する様子が描かれている。
機動戦士ガンダム (小説版)
第2巻より登場。ザクに代わる主力機として開発され、主にシャア率いるニュータイプ部隊の主戦力として登場する。『1st』とは異なり、ビーム・バズーカとビーム・サーベルが主兵装となっているのが特徴である。
機動戦士ガンダム戦記 アバンタイトル
前半パートの戦闘で登場。ジムを撃墜した機体が漂っていたビームバズーカを手に取りユーグのジム・コマンドと交戦するも、ビーム・ガンの直撃弾を立て続けに受け撃墜されている。インタビュー記事[3]ではこの機体が「RS型」である事が明言されており、当初ビームバズーカを使用する予定は無かったものの、松尾監督の「ユーグにビームを避けさせたい」という要望を受け登場に至っている。