MS-09 ドムとは
ドムの概要
ジオン公国軍の量産型重モビルスーツ「ドム」は、ツィマット社が開発した独特の機体です。 この重MSは、熱核ホバー・ユニットによる高い機動性を特徴とし、地球侵攻作戦においてジオン軍の戦術に新たな次元をもたらしました。 当初、ジオン公国軍はザクIIの転用で地球上の戦闘に対応すると考えていましたが、その限界を感じ、より適応性の高いMSの開発が求められました。 この背景から「ドム」の開発が始まり、ツィマット社の熱核ジェットエンジンの開発成功が、ドムの主推進器として採用され、その高い機動性が実現されました。
ドムの設計には、ツィマット社の革新的な技術が多く取り入れられました。 特に、ブロック構造の導入や整備性の高さは、後のリック・ドムの開発にも影響を与えました。 ドムの胸部に一体化された頭部形状や十字型のモノアイレールは、戦闘における視野の拡大と被弾率の軽減に貢献しました。 また、ドムの腕部は、地球上での運用を想定し、防塵処理が施され、大型化しました。 機体の装甲はシンメトリカルにバランスされ、強化されています。 ボディブロックの設計は、メンテナンスや機能向上に配慮され、後のMS設計にも影響を与えました。
ドムのコクピットは「ダイレクト・イン」方式を採用し、搭乗ハッチの強化を実現しました。 量産されたドムは、プロトタイプの形状をほぼ維持しながら、ザクには及ばないものの、多くのバリエーションを生み出しました。 このように、ドムはジオン公国軍の戦術において重要な役割を果たし、その独特な設計と機能は後のモビルスーツ開発にも大きな影響を与えました。
ドムの登場作品・登場シーン・パイロットなど
機動戦士ガンダム
初登場作品。第24話で黒い三連星が搭乗し、ホワイトベース隊と交戦した。TVと劇場版でランバ・ラル隊と交戦順序が異なるが、オルテガ機によってマチルダ・アジャンのミデアが撃墜されるなどザクIIやグフよりも手ごわい機体であることが強調された。
しかしジャブロー戦に投入された量産機は後のリックドム同様完全にやられ役となり、対空砲火でまともな戦闘すらできず撃墜されるシーンが描かれている。
機動戦士ガンダム 第08MS小隊
終盤のラサ基地攻防戦で基地所属の機体が登場。ジェット・コア・ブースターを迎撃する際はザク・マシンガンを、その後の量産型ガンタンクや08小隊との戦闘ではジャイアントバズやヒートサーベルを使用。量産型ガンタンクに肉薄するもカレン機に阻止され、最後は量産型ガンタンクに砲撃されて撃破された。本作のドムは山根公利氏によるデザインで、後にPS2ソフト『ジオニックフロント 機動戦士ガンダム0079』のドム・フュンフに流用されている。
機動戦士ガンダム MS IGLOO2 重力戦線
陸戦強襲型ガンタンクを迎撃するためダブデに随伴していた2機が登場。1機はガンタンクの砲撃で転倒し、もう1機は砲身を切り落とすも機関砲を至近距離で喰らい、起き上がろうとしたところに燃料タンクをぶつけられ炎上した。
機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY
原作ゲーム『戦慄のブルー』のステージ5から登場。黒い三連星にあやかってか、ボス機体として3機同時に出現する。この時の機体は両肩と胸部を赤く塗装・右肩にエンブレムが施された黒塗りの機体で、高山瑞穂氏の漫画ではリック・ドムIIの意匠を取り込むアレンジが施された状態で登場している。
リメイク版及び漫画『ザ・ブルー・ディスティニー』ではニムバス・シュターゼン直属の部下であるトリスタン・トレーダー、セルジュ・ラウ両少尉の機体として登場。ともに機体性能を遺憾なく発揮しており、また『ザ・ブルー・ディスティニー』のトリスタン機はザクI・スナイパータイプのビーム・スナイパーライフルを、セルジュ機は漫画オリジナルのガンターレットを搭載するなど戦局の推移に合わせて強化されている。
機動戦士ガンダム THE ORIGIN
『1st』と同じく黒い三連星の搭乗機が登場する。また、ダブルジェットストリームアタックなる新戦術を披露している。機体形状は特に変わりないが、部隊マークが追加されている。
機動戦士ガンダム ギレン暗殺計画
ギレン親衛隊のバネッサ・バーミリオンとガイウス・ゼメラの機体としてリック・ドムをレトロフィットした機体が登場。