MS-05B ザクI(旧ザク)とは
ザクIの概要
「ザクI」や「旧ザク」として知られるMS-05は、ジオン公国軍によって開発された量産型モビルスーツで、宇宙世紀における戦闘用モビルスーツの始祖としての地位を確立しています。この歴史的な機体は、ミノフスキー粒子による電波障害を利用した新型兵器として、宇宙世紀0070年代に開発が始まりました。
ジオン公国軍は、宇宙世紀0071年に新型兵器の開発に着手し、ジオニック社が提案したAMBAC機動を活用した可動肢を持つ宇宙機動兵器のコンセプトに基づき、「S・U・I・T計画」を発足させました。この計画は、人体を模した四肢を持つ兵器の開発を目指し、小型熱核融合炉と流体パルスシステムの完成を経て、宇宙世紀0073年にモビルスーツの基本形が完成しました。
MS-01からMS-04を経て、MS-05「ザク」が宇宙世紀0074年2月に完成しました。この「ザクI」は、機体外に設けられていた動力や制御関連の機器を全て装甲内に収めることで、実戦仕様量産機として同年5月にロールアウトしました。
初期先行試作量産型(Aタイプ)は27機程度が生産され、訓練運用と実戦投入を経て、そのデータを基に改良されたBタイプが793機生産され、最終的に820機程度が生産されました。これらの「旧ザク」は、教導機動大隊の編成や初期の戦闘に使用されましたが、生産数が800機を超えた時点で生産終了となり、より高性能なザクIIの開発へと移行しました。一般的に「ザク」と呼ばれるのは後継機のザクIIを指すことが多いため、MS-05は「ザクI」または「旧ザク」と呼ばれるようになりました。
ザクIの登場作品・登場シーン・パイロットなど
機動戦士ガンダム
初登場作品。第3話にガデムの搭乗機が登場した。この時は「ザクI」としての機体設定が無く、ガデム専用のザクという扱いだった。劇場版3作目ではガデム機の戦闘シーンがカットされたものの、ア・バオア・クー表層のワンシーンで一般機が登場。最新鋭機であるゲルググとのツーショットが見られる。
機動戦士ガンダムΖΖ
第40話にてスタンパ・ハロイが保有するレプリカコレクションの1つとして登場。屋敷の入り口に何故か金剛力士像に扮した灰色と赤の機体が置かれている。ジュドー達が屋敷から脱出する際にはスタンパの手下がザクIIカラーの機体で登場。ジュドーのズゴックに背後からタックルするも続く攻撃をかわされ、反撃で突き飛ばされた。
機動戦士ガンダム外伝III 裁かれし者
STAGE 3に登場。非武装でありながら物陰から現れるなり、こちらに駆け寄ってタックルやオルテガハンマーで襲い掛かってくる。まさに格闘家。足が速くすぐに間合いを取る必要がある上、視界の悪い狭い通路という事もあり、不意打ちを食らう可能性もある。
機動戦士ガンダム MS IGLOO
『一年戦争秘録』第2話で第128物資集積所の歩哨を務めているが、同施設を訪れたセモベンテ隊の奇襲を受け、抵抗する間もなく撃墜されている。『黙示録0079』第3話ではア・バオア・クー表面に取り付いたジム改2機を岩陰からの待ち伏せで撃墜した。漫画『MS IGLOO 603』ではヅダとのコンペティションのシーンや、エンマ・ライヒたち義勇兵の初期機体として登場している。
機動戦士Ζガンダム外伝 審判のメイス
デルフォイにリニアシートや全天周囲モニターを搭載した機体が作業用として配備されており、整備主任のJFKが搭乗する。戦闘用に配備された機体ではないが緊急時には戦闘にも参加しており、ガザCを撃退したり、シュツルム・ディアスにバズーカを命中させたりしている。審判のメイス作戦から2ヶ月後にはヨーンとアイリスを迎えに行っている。なお宇宙世紀0089年時には既にコレクターズアイテムと化しており、稼働状態で艦艇に搭載されることは極めて珍しいケースとされる。